理系革命!夢へと続く道!

ある一人の東工大生は、理系革命を起こしたいと思っている。

編入学試験対策・書籍紹介 化学編 Part3

有機化学分野について

『マクマリー有機化学〈上〉』

『マクマリー有機化学〈中〉』

『マクマリー有機化学〈下〉』John McMurry著、東京化学同人

『ハート基礎有機化学』Harold Hart,David J.Hart,Leslie E.Craine共著、培風館

有機化学演習―基本から大学院入試まで』山本 学、豊田真司共著、東京化学同人

『基礎有機化学演習』大須賀 篤弘、東田卓共著、サイエンス社

『演習で学ぶ有機反応機構―大学院入試から最先端まで』有機合成化学協会編、化学同人

『基礎有機化学演習』吉原正邦、神川忠雄共著、三共出版

 

有機化学は、編入試験では有機電子論に基づいた反応機構を考えなければならない場合が多いです。(高校レベルでは化合物の骨格の変化を暗記するケースが多かったかもしれません)

実際には、反応物と試薬が与えられていて、生成物を求めよ、といった問題や、逆合成解析(生成物を得るためにどのような試薬を用いればよいか)といった問題が中心になります。反応機構の詳細をすべて覚えるのは難しいですが、電子がどのように動くのかを大まかに理解しておけば問題は解きやすくなります。

代表的な人名反応は積極的に覚えてしまうほうが良いでしょう。

編入学試験対策・書籍紹介 化学編 Part2

無機・分析化学分野について

『シュライバー・アトキンス 無機化学〈上〉』

『シュライバー・アトキンス 無機化学〈下〉』Peter Atkins他、東京化学同人

『無機・分析化学演習―大学院入試問題を中心に 』竹田満洲雄他、東京化学同人

『演習無機化学―基本から大学院入試まで』平尾一之他、東京化学同人

『基礎無機化学演習』花田禎一著、サイエンス社

 

『基礎からわかる 分析化学』加藤正直、塚原聡共著、森北出版

『これならわかる分析化学』古田直紀著、三共出版

『新版基礎分析化学演習』菅原正雄著、三共出版

 

無機・分析化学は、共有結合、イオン結合、d金属錯体(遷移金属、結晶場理論)、各論(化学反応式)、溶液化学、固体化学など分野は幅広く、やや雑多な印象の内容が多いですが、頻出の内容はやはり共有結合、イオン結合など、はじめに学習する範囲だと思います。化学結合や電子軌道の理論を理解していくことがメインになります。また、熱力学的な知見と関連付けて出題される内容も多いので、物理化学を優先的に勉強する必要があります。

シュライバー・アトキンスは無機化学の教科書として多くの大学で使われていると思います。編入学試験もこの本の内容をベースにしているように思われます。とても分厚いので、全部を勉強する必要はありません。あくまで、勉強している過程で必要になった知識を調べていく、辞書的な感じで使用するのがベストです。問題演習は上記のどれでもいいですが、院試の勉強で得るものは多いので、『無機・分析化学演習―大学院入試問題を中心に』は一番良いと思います。

 

 

編入学試験対策・書籍紹介 化学編 Part1

物理化学・理論化学分野について

『アトキンス 物理化学〈上〉』

『アトキンス 物理化学〈下〉』

『アトキンス 物理化学問題の解き方(学生版)』Peter Atkinsほか、東京化学同人

『バーロー物理化学〈上〉』

『バーロー物理化学〈下〉』

『バーロー物理化学問題の解き方』Gordon M. Barrowほか、東京化学同人

『詳解物理化学演習』小野 宗三郎、 長谷川 繁夫共著、共立出版

『物理化学演習〈2〉―大学院入試問題を中心に』染田清彦著、東京化学同人

量子化学 基本の考え方16章』

量子化学 演習による基本の理解』中田宗隆著、東京化学同人

 

化学の勉強では、物理化学・理論化学分野を優先的に勉強するのが良いでしょう。化学熱力学、反応速度論、量子化学がメインとなります。化学熱力学は物理の熱力学と、内容としては重複しているので  (ただしこちらは化学反応を考えることが中心となる)一番初めに勉強するのが良いでしょう。反応速度論は反応速度の解析を微分方程式を立てて解くことが主な内容です。(定常状態近似などは頻出です)量子化学は編入試験レベルでは、シュレーディンガー方程式の基礎、1次元井戸型ポテンシャル、調和振動子分子軌道法などがよく出ます。難解な量子力学の内容が問われることは殆どないように思われます。

 

化学熱力学の解説は個人的にはアトキンスがお薦めです。バーローは標準的で癖がないです。僕はどちらを使っても良いと思います。問題演習としては、アトキンス、バーローの問題の解き方や、詳解物理化学演習、物理化学演習-大学院入試問題などをやってみましょう。

編入学試験対策・書籍紹介 物理編

『演習力学』今井功ほか共著 サイエンス社

『初等力学』甲木伸一著 裳華房

電磁気学演習』山村泰道、北川盈雄共著 サイエンス社

『物理学演習―ファイリングノート (1)』

『物理学演習―ファイリングノート (2)』鈴木賢二著 学術図書出版社

『基礎物理学演習Ⅰ』 『基礎物理学演習Ⅱ』永田一清著 サイエンス社

 『詳解力学演習』 『詳解電磁気学演習』後藤憲一ほか共著 共立出版

 『電磁気学 初めて学ぶ人のために』砂川重信著 培風館

 『解法と演習 工学系大学院入試問題<数学・物理学>』陳啓浩、姫野俊一共著 サイエンス社

 

編入学試験の物理は、やはり力学、熱力学、電磁気学が中心です。

残念ながら、編入試験の過去問の問題集は僕は見つけられていません。

(ただ、高専の物理問題集の最後の章に少しだけ載っています。)

どの本もお薦めですが、僕がよく使ったのはサイエンス社

演習力学、電磁気学演習と学術図書出版社のファイリングノート1,2です。

共立出版の詳解力学演習、詳解電磁気学演習は問題量が豊富なので、

全部は解かずに、辞書のように活用していました。

 

物理の勉強は教科書を読むだけでは十分ではありません。

やはり問題を解くことで初めて理解が出来るようになりますし、

過去問も解けるようになってきます。

 

追記

熱力学の本が少ないですが、後に物理化学の本を紹介するときに

一緒に載せるつもりです。申し訳ありません。

 

編入学試験対策・書籍紹介 数学編

『大学編入試験問題 数学/徹底演習』林義実・山田敏清 共著 森北出版

『編入数学徹底研究』

『編入数学過去問特訓』桜井基晴 著 聖文新社

 編入試験の過去問とその解法について詳しく書かれているのが

これらの3冊です。3冊とも取り組まれる事をお勧めします。

 

『明解演習 微分積分

『明解演習 線形代数

『明解演習 数理統計』小寺平治 著 共立出版

 やや難しい演習書として、共立出版の明解演習シリーズが有名です。

難関大学に挑戦する方には是非お薦めです。

 

『大学・高専生のための解法演習 微分積分Ⅰ』

『大学・高専生のための解法演習 微分積分Ⅱ』糸岐宣昭・三ッ廣孝 共著 森北出版

 高専生や、大学1年生に丁度いい難易度の演習書です。

初めの1冊はこれがいいのではないでしょうか。

 

線形代数学』川久保勝夫 著 日本評論社

 線形代数学のオーソドックスな本です。計算問題だけでなく

理論や導出まで詳しく載っています。線形代数が得意になりたい

人向けです。

 

『新訂 確率統計』 高遠節夫・斎藤斉ほか4名 共著 大日本図書

『ハッとめざめる確率』 安田亨著 東京出版

 確率統計はこれらの本がお薦めです。

 

『新訂 応用数学

『新訂 応用数学 問題集』高遠節夫・斎藤斉ほか4名 共著 大日本図書

『演習と応用 ベクトル解析』 寺田文行・福田隆 共著 サイエンス社

 大学によっては応用数学の範囲も出題される事があるので

過去問等を見て、よく勉強したほうが良いかもしれません。

上記の本は編入試験のレベル的にもちょうどいいと思います。

大学別・編入学試験の傾向と対策 補足1

 最後に、実際に受けなかったものの、視野に入れていた大学や

過去問を解いたことのある大学について、傾向と対策を書きたいと思います。

(ただし、受験していない人間の書いている事なので、鵜呑みにはしないで、

参考程度に聞いて頂きたいです。)

 

東京大学工学部

 募集人員は若干名で、3年以上在学する必要があります。

筆記試験は、電子情報工学科、電気電子工学科、物理工学科、計数工学科は、

英語、数学、物理の3科目で、それ以外の学科は英語と数学の

2科目になっています。

 過去問を見た印象としては、英語は問題量が多く、英語力と高い情報処理能力が

必要で、やはり東大という感じでした。難しさとしては、阪大基礎工学部と比較する

と、とにかく高い質が求められるのが阪大基礎工で、質と同時に量をこなす能力が

求められるのが東大であるという印象です。高専の英語だけではかなり厳しいので

自主的な勉強と特別な対策が必要になると思います。数学は、出題範囲が広く

(微積分、線形代数、確率、複素解析応用数学など)どの問題も難易度が高い

です。特に複素解析応用数学などは編入の問題集をこなすだけではなく、別の

参考書を使う必要があるかもしれません。物理は、力学、熱力学、電磁気学の他、

量子力学も出題されるので、かなりの勉強量をこなさなければなりません。こちら

も数学と同様、難易度は高いです。

 全体として、編入学試験の問題としては最高レベルの難しさだと思います。東工大

や阪大なども難しいのですが、出題範囲が東工大や阪大以上に広いので、別次元の

難しさだと思います。僕は、東大に関しては受験をそれとなく勧められたり、募集

要項を取り寄せたりしましたが、受験は断念しました。合格するのは厳しかった

だろうと思います。

 

 

大学別・編入学試験の傾向と対策 Part4

東京工業大学工学部(化学工学科応用化学コース)

 募集人員は20人程度ですが、もう少し合格します。

 東工大の場合、一般入試であれば理学部、工学部、生命理工学部

とも同じ筆記試験を受けます。筆記試験は数学、物理、化学、英語の4科目です。

 数学は例年どおり、微積線形代数が中心です。今年は、条件付き極値問題、

二重積分(変数変換あり)、固有値問題微分方程式でした。かなり難しく、完答は

厳しかったです。

 物理は力学、電磁気学、熱力学の3問です。年度によっては熱力学ではなく

音や波動の範囲が出題されるかもしれませんので注意してください。

内容としては標準的で、決して難問というわけではありませんでした。

 化学は大問6問ありますが、今年は無機化学の範囲が殆どで、物理化学1問、

有機化学1問でした。東工大の化学は難しいとよく言われますが、化学系学科の

人であれば十分解答できる内容だったと思います。ただ、その他の学科の人で

化学をあまり勉強していなかった人にとっては難しく感じると思います。

大問6問もあり、論述問題も結構あるので、90分の時間との勝負になると思います。

難しい問題は思い切って捨てることも必要になります。

 英語は長文2問でしたが、その中に和訳、英訳、読解、語彙問題などがあり、

バランス型のオーソドックスな問題でした。長文の内容がやや難しいので、

簡単ではありませんが、速読、多読を中心とした勉強をするのが対策として

ベターだと思います。

 面接では、志望動機、卒業研究の内容、将来の展望、科学のニュースなど

幅広く質問されました。緊張せず自分の思っていることを話せれば良いかと

思います。東工大はやはり理工系最高の大学ですので、理系の人間としての

意欲とか資質を重視している感じがしました。

 

 かなり難関ですが、理数系全般に自信がある人は是非受けて欲しいと思います。