大学別・編入学試験の傾向と対策 Part1
編入試験を4校受けて、過去問を解き本番の編入試験を受けてきた体験をもとにして
大学別の傾向と対策を書いていきます。
・大阪市立大学理学部(化学科)
ここは化学科のみの募集でした。定員は3名とありますが、実際にはもう少し
多く合格します。(7人程度)
2時間の筆記試験(専門科目で、科学英語・物理化学・無機分析化学・有機化学の
大問×4の構成)と、口頭試問(化学の基礎的な問題2問と最近の科学ニュースに
関して興味を持った事や他の大学受験状況などの試問)がありました。
本命で受けた大学(東工大と阪大)と違い、受験人数が少なかったため、
試験の様子は小規模で和やかな雰囲気でした。
過去問を見ていたときは、割と化学のマニアックな知識が問われる印象が
ありましたが、今年の問題は殆どが基礎~標準レベルの問題で、高専4年まで
あるいは大学1回生(教養課程)の化学を理解していれば解ける問題でした。
頻出問題として、イオン化エネルギーの傾向や電子軌道についての問題、
代表的な有機反応の生成物を問う問題、一次元井戸型ポテンシャル、
化学反応についての熱力学が出題されました。いずれも勉強していれば
確実に点が取れる問題でした。科学英語に関しては背景知識も必要で
簡単ではなかったですが、決して難解な構文の和訳などが
問われるわけではありませんでした。化学の基礎をどれだけ理解しているか
という観点で作成された試験という印象でした。
口頭試問では化学平衡(ルシャトリエの原理)に関する問題と、化合物の沸点の
順序を説明する問題が出題されました。いずれも基礎的な問題でしたが、
先生方の前で緊張せず答えられるかということも大事ですので、話す練習
をした方が良いかもしれません。また、科学に関するニュースなどが
聞かれましたが、最近では例のSTAP細胞問題しか思い浮かばなかったので、
古いと思ったのですが福井謙一氏のフロンティア軌道理論のことを答えました。
他大学の受験状況は東工大工学部が本命であることも含めて正直に答えましたが、
答え方が合否に影響することはないと思います。